学習が動画によって行われる世界。多分10年前くらいに、そんな未来がくることを期待していて、そういう未来を作ろうと思っていた。例えばプログラムで使う数学は、自分にとっては文書で理解するのが大変だった。なので、それがビデオだったらいいなあと思っていた。
一般にそういうニッチな内容の映像は、ニッチであればあるほど予算は低くなり、内容に興味を持っている視聴者ですら、工夫がなさ過ぎる映像を退屈に感じるだろうと想像される。だからその退屈さを存分に視聴者に伝えることになってしまうような、ビデオテープカセット(巻き取り式のテープ)や、放送局から特定の時間にオンエアをすることは、全く不向きだと考えていて、逆にネットでランダムアクセスできる形でビデオを配信するというのが、理想的だと考えていた。
そんなことを考えていた自分は、ネットで学習用の動画を配信するということについては、いろいろ思うことがある。たとえばWikiについての解説がされているビデオWikis in Plain Englishを見ると、おおこれいいじゃんと思ったりする。
こういうビデオには、掛けるお金、つまり制作関係者に支払うお金はゼロか、それに近いと想像できる。というかクライアントはおらず1人か複数の有志が何の報酬もなく作成しているんだろうと想像される。だとしたら無料で作成されたコンテンツということになるけど、でもテキスト情報の生成、送受信、閲覧がネットではあまりにも簡単すぎて、こういったよくできた映像はその中ではむしろ高級なコンテンツだとも言える。
実際、例えばテキストだけの情報なら、学習につかえるコンテンツが、たくさん投稿されているように感じるけど、ビデオはそんなにみつからない。つまり映像は制作コストが高すぎて、ブログなどと比較すると、ほとんど誰も作ってないという状態なのだと思う。かつてと比べたら、映像の、生成、送受信、閲覧はずっと楽にはなってはいる。ただ、あいかわらず相対的に作り手にとって重いメディアであることに変わりがない。
YouTubeで映像を誰でも配信できる時代になったけど、高級な学習用コンテンツは、そんなに集積されていってないように思う。あまりYouTubeを使わないから、もしかすると検索するスキルが足りていないのかもしれないけど。
ところでYouTubeで探している途中に見つけたこの映像(黒いレコードとDJの関係)なんかはおもしろかった。DJもの結構おもしろいなあ。
http://www.youtube.com/watch?v=WZFqE4wJsgw
そっかこういうコストが小さい(であろう)ものは結構あるのだなあ。もしかしたらほんとに見つけることができないだけなのかも。
「学習用の映像コンテンツを作成し配布する」というサービスをビジネスモデルを考えればいいのだろうけど、実は10年ほど前にも、どうすればそのようなサービスがビジネスになるのか考えたのだが、その時もアイデアは出なかった。
でも、そういうサービスはきっといつか現れるような気がする。そんなことを、iTunes Uを見て思った。ビデオ素材をつかったものが見つからなかったけど、PodCastでも映像は流れる訳で映像コンテンツもどっかにあるんだろうと思う。
http://www.apple.com/jp/news/2007/may/30itunesu.html
いづれは自分もVideo iPodで通勤中にビデオを見ながら、何かを勉強するといった未来が想像される。正直それが輝かしい未来だかなんだかはわからないけれども(忙しいだけじゃんという気もする)、それでもそういう方向に将来の学習というのは進んでゆくのではないかと思う。
ところでMacを今メインで使っていますが、ぜひTower Recored の NapstarをMacに対応させてほしい。ラジオ的にいろんな音楽を楽しむという意味ではiTunesよりずっといいんじゃないかと。iTuneのラジオに飽きてしまったからかなあ。とにかくBootcampでWindowsを立ち上げたときにいつも残念に思うのはNapstarがMacにないこと。
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