オライリー本Apollo for Adobe Flex Developers Pocket Guideはちょっと役に立った。
そもそもが、読むというようなものではないけど。AIR(旧Apollo)についての基本的な情報が書かれている。どんなことができるか、どんな風にやるのか、大雑把に把握できる。オライリー本を知っているなら、あの薄くて小さい本のシリーズ。だから電車の中とかメシ時に定食が出てくるまでの間に眺めるにはちょうどよいです。
ちなみに、僕はアルファの時に1つAIRを作ったのですが、そのときにはまだファイルのドラッグドロップはサポートされておらず、ちょっとつまらなかった。現状のベータではどうなのかわかりませんが、ドラッグドロップのサポートってかなりワクワクするよなあ。同じFlashユーザーならきっとこの気持ちわかってくれると思います。で、そのドラッグドロップについては上記の本には載ってません。そのあたりはsubject to changeで、完全な機能を網羅しているわけではない。でも現状ではこの本しかAIRの本は多分存在しない。
さて、AIRを作ってみることについてですが、特別難しいところはなく、(といいつつもちろん僕も意味不明なところもありながらほったらかしていますが)、どちらかというと今までのFlexやSWFを作成してきたのと同じように、mxmlやActionScript3でつくるメインの処理に開発の時間がかかるのではないかと思います。ウィンドウを透過にするとか、ウィンドウ枠をなくすとかいったところのやり方を習得するのに、やたら時間がかかるなんてことはないはず。
ところで、Flashは今までもプロジェクターという書き出しをすることで、ブラウザの外で再生できるアプリケーションにすることができたわけで、AIRであることのどこに良さがあるか。
今までFlashはローカルマシンに「ファイルの保存」ができないというセキュリティ上の制限がかかっていましたが、AIRによってその制限がなくなったというのは、でかいといえばでかい。
たとえば、あるFlashユーザーが、今時のビデオ系サイトの盛り上がりに乗じて、ウェブでSWFベースのビデオ編集機(プレミエ)みたいなものを作って公開しようと思った場合、「ビジネスモデルは?」と聞かれたら「ウェブでは無料で公開し、Airは有料で配布する。」という風に回答できるところがAIRのありがたさかも。
実際、ウェブのFlashはローカルにファイルを書き出すことはできないので、出来上がった映像ファイルを保存するにはサーバーしかない。しかしAIRならローカルに直接保存できる。編集素材だってローカルから読み込める。だからあきらかにAIRの方が便利。
それにウェブ上のサービスはユーザーを集めるにはよいが、課金するとなると、なかなかユーザーが払う気になってくれない。でも「ローカルにインストールされる」というイメージは課金と相性がよいのではないか。
いままでFlashで作るソフトでビジネスモデルを考えるってのはなかなか難しかったはず。ウィンドウズのアプリのようにパッケージやダウンロード販売という形で提供するという文化はなくて、制作者は受注案件という形でしか稼ぐことができなかったと思う。
そういう意味で、とりあえずビジネスモデルがすぐ考えられるというところは、時と場合によってはとても役にたつのかもしれない。
Apollo for Adobe Flex Developers Pocket Guide
昔はウェブブラウザだってソフト屋さんで買ってきたし、ネットが盛んでない時代は、「ソフトは買うもの」みたいな時代もあった。自分も何十万かは使わないソフトに投資?してしまったような気がする。お試し版もなかったし。
買ってみるまで中身は不明っていうのは、歴史的にはそっちの方が長いくらいかも。今だってDSやWiiのゲームソフトは買ってみるまでわからんのだし、それが普通の世界ではそれが普通なんだよなあ。
コメント