僕は読書をほとんどせず、特に小説は年に2つくらいしか読まないが、最近は本屋に2回行けば1冊は買っているような気がする。小説ではなくて新書を。半分くらは読んでないと思うが読んだ中でおもしろかったものをまとめてエントリ。
まず一番のヒットが、
「ジャパニメーション」はなぜ敗れるか
大塚 英志・大澤 信亮
面白い。2年も前の本だけど「ジャパニメーションって日本人が想像しているほど外国では相手にされていないしビジネスにもなってません」てなことが書かれている。そこの部分が僕は一番おもしろく読んだ。本のテーマとしては、ビジネスがどうだからってことではなく、国産の漫画/アニメについての本当に価値のある部分を守りたいということみたいだ。
ともかくタイトルから敗れること前提となっていて、「このままだとまずいからこうしましょう」という甘い内容ではない感じがしていい。正直、最近「大きくとらえると僕らの未来にはあんまり希望はない」という、しかも皮肉ではなく、率直なメッセージを感じるブログエントリを目にする機会が多く、そういう未来感というのが今自分にとってシックリ来ているということなのかもしれないが、この本も自分にとってはその一派だった。
ついでに
「ひきこもり国家」日本—なぜ本はグローバル化の波に乗り遅れたのか
高城 剛
のタイトルもしかり。たとえば「なぜ○○は敗れたのか」「なぜ○○は敗退したのか」とか、自分がその○○で生きていたら、そんな本のタイトルを見たら結構ぐさっと刺さるのではないかと思う。ここではその○○とは日本のことで、まさにそこで自分は働いているわけだ。その刺さり感が今はハマる感じがする。
そういう意味では、
映画「不都合な真実」
(アル・ゴア)
は随分前に劇場で見て、「このままだとまずいからこうしましょう」という希望のあるテーマだったのだが、今から考えると今イチ、シックリくる内容ではなかったような、、とか思えてくる。なんだか今は希望を信じれないというか。いや希望なんか感じさせているようではダメというか。希望があるとか言っちゃダメというか。決して元通りにはなりませんが、せめてこうすればあなたじゃないかもしれないけど、誰かが生き残れるかもしれません、みたいなのが、心を打つのではないかと思う。実際にはこの映画の裏プロパガンダは何だろうかと勘ぐってしまうような映画だった。とはいえこの映画は見ないより見た方がいいというか、見てないと「見てないんですか?あーそーですか。(こいつはダメだわ)」とか思う人が居るはずなので、見ておいたほうがいい。
話は変わって、
「世界征服」は可能か?
岡田 斗司夫
これも面白かった。帯に「あなたはどんな支配者タイプ? A.魔王タイプ B.独裁者タイプ ..」とかタイプ分けについて書いてあって、なんだかそういう自分のタイプ分けの本のようにみえたりするがそうではなかった。というかそこのくだりがメインテーマではなかった。また「世界征服って意味ないよ」というメッセージを延々書いているだけなのかと思えたけど、それもメインのテーマではなかった。本題は「現在の自由な経済と自由な情報の流通をどのように捉えることができるか」という話だと思う。有意義な読書でした。
それから
生物と無生物のあいだ
福岡 伸一
は以前、竹村真一教授の『地球大学』で、狂牛病の話にからめて食べ物と人との科学的な関係について著者の講演を聞かせてもらって、すごく新鮮だったので、迷わず買ってやはり読んでみたら面白かった。地球大学というイベントになぜ出たかというと、実は竹村教授のアースリテラシープロジェクトに、僕の会社でケータイアプリやケータイFlashで参加させてもらっているので、そこで大手町カフェで打ち合わせしたあと見たのだが、すごい面白い話でした。
大手町カフェのイベント
アースリテラシープロジェクト
さらに、全然赴きは違うけど、
モバゲータウンがすごい理由
石野純也
これの中で、「携帯とPCだったら、検索するなら携帯でやる。PCは起動が遅くて面倒」という感覚がわからないと、携帯サイトを盛り上げることができないのではないか、という意見が書かれている。正直この感覚は全くではないけど、やっぱり自分とは違う感覚だと思う。自分の場合やっぱり起動の早いPCに買い替えようとか思う。
あと
ユビキタスとは何か—情報・技術・人間
坂村 健
こちらもとても面白い。まさに書かれているユビキタスコンピューティングの現状のところが面白い。未来がどうなるのかはわからないけど、広範にコンピュータが広がっている世界というのはどんなものか、そこで自分はどういう仕事をしているのか、というのは興味ある内容で、時々考えるのですが、どんな世界になるかを想像する時の助けになる。また普及という点では、多分昔から様々な成功・失敗を見たりきっと体験してきただろう著者の意見は確信をついているのかもしれないと思う。
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