最近実は何か作っている時に気が散ってしょうがない。自分の場合時間があるときに作るのは、なんか仕事につながりそうなデモとかなんだけど、手に付かない。なんでだろうと思っていたが、多分岩井俊雄の講演を聞いた少し前辺りからそうなったような気がする。あ、どちらかというと21_21のwater展で展示を見てからからもしれない。
なぜなのか、という理由はいくつか思い当たるけど、1つには、自分の仕事について、なにをやるべきなのかなあという疑問から来ている気がする。自分はアーティストではないし、作品も作らないんだけど、そういった芸術とか展示物を作るといった活動をされている人達を羨む気持ちもある。
今日初台のICCに行って、無料コーナーのいろいろな展示をみて来て、おもしろいと思うものもあったんだけど、それらと似た作品を入力方法を変えれば、ウェブサイトで展開することも可能なわけで、別に羨まなくてもできる部分はできる。違いは何なのか。
かつては、コンピューターのモニタを使ったアートというのは、それだけで、自分にとっては偉くて、あごがれのものだったんだけど、どちらかというと、今は、自分がどうしても作りたい物があれば、それをPCのFlashやサーバープログラムを作って実現することはできそうな気がする。
かつて、メディアアートでありさえすれば感激していた時と今との違いは、今はコンピューターとインターネットはつながっているのが普通で、くわえてとてもそれが普及しているということ。
自分がウェブサイトの作成を始めた頃は、コンテンツとは別に、ユーザーを獲得するにはどうしたらいいかということは考えた。でも、ブログや動画のようにユーザーにコンテンツをつくってもらうという、CGM的な意味でのカスタマー獲得は考えたことがなかった。
Flashを使ったすばらしい作品はやはり国内だとニコニコ動画。海外ではYouTube。どちらもFlashは動画再生のプラットフォームとして使われているだけ。これらは作品というよりはインフラだけどそういうものが作品として評価できるものだし、興味の向かうもの。
自分だけ特別なのかもしれないけど、ウェブコンテンツに対しては、以下のようなことを思う。今書きながら初めて思うことも、今まで思っていたこともごっちゃで、でも将来もそう思い続けているかどうかはわかんない。
ユーザーの投稿を素材として1パーツで使うような作品には滅多に投稿しない。パーツではだめで、ヒーローになれないと投稿するコストを払おうとしない。
それが○○賞とかを取ったものであったり、ブログでちょこっとクチコマれたり、ウェブデザイン系の雑誌に載っているぐらいでは、使ったり使い方を理解したりするのに時間がかかるような、特殊なUIを採用しているコンテンツを触ることは滅多にない。また、動作とデータサイズの面で、閲覧するのに時間がかかるコンテンツを閲覧するために待つことはまずない。
ブログにYouTube動画が貼付けられていた場合に、その動画を見ないことがよくある。その動画の内容に価値があるだろうと思えるだけの情報が提供された場合は見る。
展示作品やゲームや動画は、その作品に対しての信用や興味を持っている場合だけ、プレイや閲覧をする。
ブラウザ上に展開するコンテンツは、ギャラリー等に展示するのに比べ、作品制作以外にかかるコストがとても少ないが、短時間で理解できて楽しいものでないとならない。もしくは、ツールとして生産性が高いなどのメリットがなくてはならない。
偉そうな書き方になってしまったかもしれないので、一応書いておくと、ギャラリーなどの展示作品をつくられているような方の技術力やら調査力は非常に高く営業力も高く、蓄積されたノウハウも備わっているからこそ、そういったことができるのだと思う。また、大抵の展示物はマウスやモニタではなく、展示物に専用の機器となっていて、その手触り色見などをウェブコンテンツに持ち込むことはできない。
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